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タイ王室による人々と文化の保護 (2) 
 
   SUPPORTのもうひとつの重要な目的は、廃れる危機に瀕しているタイの伝統工芸を復興し守ることです。東北地方の有名なマットミー絹の他にも、プレーワーという刺繍を施された絹、繊細なヤン・リーパオのかご細工、ニエロ細工、そしてクラムとして知られる複雑に金銀で装飾されたはめ込み細工などが含まれています。全体で26の手工芸が対象とされ、すべてのものが多大な技術・時間・忍耐を必要とするだけでなく、実践する人がほとんどいない、という問題を抱えていました。例えば、はめ込み細工のクラムは国全体でたった1人の先生しか残っておらず、完全に消え去ってしまう危機にありました。

 農村の貧しい人々を助け、伝統工芸を守るという2つの目的を達成するため、王妃陛下はバンコクのチッラダー宮殿に訓練所を設けてSUPPORTを始められました。訓練生を選ぶために、王妃陛下は自ら貧しい家族にインタビューされました。訓練生は自ら選んだ手工芸の訓練を受ける間、手当てと賄い付きの住まいが与えられます。刺繍や造花の製作といった幾つかの活動は、技術を習得するために2-3ヶ月かかりますが、他のもの、例えばニエロ細工は、訓練は3年にも渡ります。コース終了時には最も優秀な生徒達が次に先生になるように言われ、こうして次の世代へと技術が確実に受け継がれるようにしています。

 SUPPORTプログラムは成功し、今ではほぼ全地域に訓練所があります。一番大きいチッラダー宮殿の訓練所は、1回に最高500人の訓練生を受け入れることができます。訓練を受けなければ教育のないままであったであろう農村の労働者や山岳民族で、このプログラムを卒業した人の数は今日までで50,000人を超えています。

 包括的なプログラムであるSUPPORTは、訓練と生産をマーケティングとプロモーションによって引き続き支援します。完成品は適正価格で購入され、基金のチッラダー・ショップや他の非営利団体を通して販売されます。実際、この活動は慈善的な性格を持つものではなく、実用的な理念に基づいて行われているのです。王妃陛下のお言葉によれば、「村の人達に何かを作るよう勧める前に、慈善目的だけでなく商品として価値があるかどうかを確かめなくてはなりません。慈善のための商品は本当の支援になりません。自分達で自立できるようにしなければならないのです。」

 あるコメンテーターは、王妃陛下について「SUPPORTの単なる表看板ではなく、積極的な総裁である。陛下はすべての商品を検査し、基準に満たない場合には批評をされる。量より質を重んじられるのだ。」と述べています。

 これがSUPPORTの大きな成功の鍵であるといえます。基金の活動はこの上なく実用的なものです。村人達は手工芸のための伝統工芸品を製作するというよりは(染色技術の保存も活動のひとつではありますが)、シリキット王妃陛下のご尽力によりこれらの手工芸品が商品価値を持つということが示されたため製作方法を学んでいるのです。

 実際王妃陛下はSUPPORTの良い顧客であり、タイ王国を訪問される国家元首に手工芸品をお土産として差し上げられています。さらに王妃陛下は、伝統工芸品が実用的な役割を果たすことができる、ということをご自身で証明されています。例えば、王妃陛下がバルマン・ハウスのエリック・モーテンソンに依頼して特別にデザインされた衣装をマットミー絹で作ることが、この素材の非常に良い宣伝となったのです。

 手工芸品の人気を広め、そして市場性を拡大していくことにおいてシリキット王妃陛下が果たされた役割は、様々なプロジェクトを始める時と同様極めて重要なものでした。王妃陛下はタイの女性のための民族衣装のデザインに関してアドバイスを与え、マットミー絹と綿だけでなく山岳民族の刺繍やチョク織(縫取り織)、錦織などその他の伝統的な素材もご自身の衣服に使われました。

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